偽物シンデレラ
「ところで貴方、名前は?」
『……ないです』
わたしがそう聞けば赤い髪の彼女はそう言った。
…名前がない?どういうことなの?
わたしに教えてくれないだけなの??
でも、わたしをからかってるわけでも、わたしの話をスルーしようとしてるわけじゃなくて…
あぁ、本当のことなんだとわたしは感じた。
(確かに興味はあるわ…)
王子様、舞踏会。
全てが全て、わたしの知らないものだもの。
でもね…、どうしてかしら。
貴方のさっきの表情が、頭から離れないの。