偽物シンデレラ
★やっと会えた。
***
『ほら、自分に魔法をかけて?
いい?あなたは今からシンデレラ。
わたしだと思ってこれから舞踏会に行けばいい』
シンデレラは私の肩に手を置いて、力を入れた。
なんで彼女はこんなにも綺麗なのにこんなにも強いの。
なんでこんなにも心が強いの?
まるで私とは正反対だわ。
『…綺麗なネックレスね、貴方にピッタリ』
私の首元に光るネックレスを見て、彼女は笑いかけた。なんて綺麗なんだろう。
「ありがとう、シンデレラ…」
私の声はわずかに震えた。
…嬉しいの、本当に。
舞踏会に行けるなんて嬉しいの。