偽物シンデレラ
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舞踏会につくと本当にたくさんの女性が集まっていた。
ピンクに赤に黄色のドレス。
淡い色の髪の毛と透き通るような肌。
ああ、目が痛い。
こんなにも綺麗な人ばかりなのに、私なんかがいて。
私なんかが来る場所ではなかったわ、やっぱり。
そう思ってまた小さくため息をつく。
…本当に綺麗ね。
すると向こうに1人の男性が見えた。
…心臓が跳ねた。
心臓が…うるさい。
「王子様だ…」
やっと会えた嬉しさで目に涙が浮かぶ。
周りの女性に笑いかけるその笑みは、あの時の笑みとなにも変わらない。
嬉しい、でも悲しい。
そんな気持ちが私を押しつぶそうとする。