偽物シンデレラ
また会うなんて、私みたいな身分でそんなことが許されるのだろうか。
『あ、まだ名前聞いてなかったね…
キミ、名前は??』
その話題を出されて今度は胸が締め付けられる。私の名前は…
「し、シンデレラ…」
『シンデレラっていうのか、そうか』
そう言って彼は頷くと私の肩に触れた。
…すごくビックリしてる。
そのまま彼は、私を抱きしめた。
『また会いたい、シンデレラ。
なぜかすごいキミが懐かしく感じるんだ。
また会いたい、一目惚れしたんだと思う…』
あぁ、なんでそんなこと。
耳元でそう呟かれて私の目からは涙が落ちる。
…私はシンデレラじゃない。
一目惚れ…?私は前に貴方に会ってるのよ?
そう思ったらもうただ、辛いだけだった。
胸が、苦しい。
貴方に抱かれたまま、涙がどんどん落ちる。