偽物シンデレラ
***
王子様side
「貴方が探しているのは、
わたしの名前を借りていた魔法使いの子なのよ!!!」
彼女の声が外に響く。
その言葉に僕はハッとした。
…彼女とはどこかで会ったことがあるような気がしたんだ。懐かしいと思っていたんだ。
綺麗な赤い髪、
それとあのネックレス。
「ごめん、ちょっと先戻ってて。
ありがとう、シンデレラ」
「え!?ちょっと王子!?」
彼女に頭を下げ一緒に居た家来の言葉を無視して僕は馬に乗る。
あぁ、もしかして君だったの?
…初めて僕にこの感情をくれた女の子は。