偽物シンデレラ
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魔法使いside
「あら、どうしたのそんなに疲れて」
「ちょっと色々あって…」
…あの後城を出た瞬間、いつもの私に戻った。
よかった、王子様が追いかけるのを諦めてくれて。
捕まっていたらどうなっていたことか。
驚いた顔を見たくないし…。
それにしても本当に…
…夢みたいだったわ。
覚めないで欲しかったなんて、無理なことね。
なんだかふいにもう一度、わたしは森に行きたくなって家から出た。
…あの人と会った、あの場所に。