偽物シンデレラ


***
魔法使いside


「あら、どうしたのそんなに疲れて」


「ちょっと色々あって…」


…あの後城を出た瞬間、いつもの私に戻った。
よかった、王子様が追いかけるのを諦めてくれて。


捕まっていたらどうなっていたことか。
驚いた顔を見たくないし…。



それにしても本当に…

…夢みたいだったわ。


覚めないで欲しかったなんて、無理なことね。



なんだかふいにもう一度、わたしは森に行きたくなって家から出た。


…あの人と会った、あの場所に。

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