偽物シンデレラ


「…綺麗だね、今の」


「っ!?」



ふいに声をかけられる。
慌てて私は声のする方は振り向いた。

どうして、こんな森に人が??

…しかもなんで?
なんで、、どうして??



「王子…、様?」


貴方がいるのですか?


「王子様がどうしてこんなところに…」


「君に会いに来た」


そうハッキリと言った彼の目は、私を捉えている。
…目が、そらせない。



「どうして私なんですか?
私は王子様と初めてお会いしましたよ」


下手くそな嘘だ。
声が震えてしまっている。


だってもう一度会いたかった人なの。
夢だと思い込もうとした人がここにいるの。


でも…っ、






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