リナリアの王女
私は横たえていた体を起こし、バルコニーに近づいた。
そして外の世界を覗いてみた。
そこに広がっていた景色は、おそらく私が今まで見た事のないようなものだった。
「綺麗・・・」
見渡す限り花や木々など植物に囲まれており、シャボン玉のような泡が浮かんでいる。
そのシャボン玉に光が反射してか、キラキラと光っている。
大きな噴水もあり、そこから吹き上げている水も光に反射して虹が出来ている。
「ここはやっぱり異世界なのね・・・」
改めて自分がいたであろう世界との違いを感じた気がする。
この世界に来て、これまでの記憶がなくなっているのだが、漠然とした違いや必要最低限の常識などは分かっている。
私がいなくなった事で元の世界の周りの人はどう思っているのだろうか。
ここまで育ててくれたはずの両親の顔も思い浮かべる事が出来ない薄情な娘だが、それはこの際この世界に来てしまったせいだと思う事にして、反対に両親などはどうしているのだろうか。
私の存在そのものがなくなってしまっているのだろうか。
それとも、行方不明扱いになっていてとても心配してくれているという事はないだろうか・・・。
元の世界に戻る事が出来ないのならば、いっその事私の事など忘れてくれると良い。
そう思う気持ちもあるが、それはそれで悲しい気がする。
一旦考える事をやめてベッドに戻った。
このまま寝てしまえば、ひょっとしたら元の世界に戻れるのではないだろうか。
そもそもこれは長い夢で、この夢の中で寝て次に目が覚める時には元の世界なのではないだろうか。
一縷の希望を託して私は瞳を閉じた。
そして外の世界を覗いてみた。
そこに広がっていた景色は、おそらく私が今まで見た事のないようなものだった。
「綺麗・・・」
見渡す限り花や木々など植物に囲まれており、シャボン玉のような泡が浮かんでいる。
そのシャボン玉に光が反射してか、キラキラと光っている。
大きな噴水もあり、そこから吹き上げている水も光に反射して虹が出来ている。
「ここはやっぱり異世界なのね・・・」
改めて自分がいたであろう世界との違いを感じた気がする。
この世界に来て、これまでの記憶がなくなっているのだが、漠然とした違いや必要最低限の常識などは分かっている。
私がいなくなった事で元の世界の周りの人はどう思っているのだろうか。
ここまで育ててくれたはずの両親の顔も思い浮かべる事が出来ない薄情な娘だが、それはこの際この世界に来てしまったせいだと思う事にして、反対に両親などはどうしているのだろうか。
私の存在そのものがなくなってしまっているのだろうか。
それとも、行方不明扱いになっていてとても心配してくれているという事はないだろうか・・・。
元の世界に戻る事が出来ないのならば、いっその事私の事など忘れてくれると良い。
そう思う気持ちもあるが、それはそれで悲しい気がする。
一旦考える事をやめてベッドに戻った。
このまま寝てしまえば、ひょっとしたら元の世界に戻れるのではないだろうか。
そもそもこれは長い夢で、この夢の中で寝て次に目が覚める時には元の世界なのではないだろうか。
一縷の希望を託して私は瞳を閉じた。