リナリアの王女
ダイニングルームに着いたはいいが、やっぱり驚きを隠せない。
一体何人で食事を取るのだろうか、と思うぐらい広い、広すぎる・・・。
「どうした、エリーゼ?座らないのか?」
クラウドにそう言われたのは良いけれど、どこに座ったら良いのだろうか?
椅子が多すぎてどこに座るのが正解なのか・・・。
「ほら、ここに座ると良い」
悩んでいる私に気づいたクラウドが自分の近くの椅子を引いてくれた。
「ありがとう」
『ク、クラウド様!!私がやりましたものを・・・』
使用人さんが焦りながらクラウドにそう言った。
確かに・・・次期国王にわざわざ椅子を引いてもらうなんて良くないのではないか?
「気にするな。エリーゼはまだここに慣れていない。俺の運命の相手なんだ。慣れるまでの間俺が出来る限り世話をする」
平然と言ってのけるクラウドに使用人は諦めたように溜息をついた。
「さあ、エリーゼに食事を持ってきてくれ」
クラウドが少し笑いながら使用人さんに言うと次々と食事を運んできてくれた。
「ありがとうございます」
私が運んできてくれた人にお礼を言うと、使用人さんはやっぱり驚いてしまった。
『いえ、あの、お礼など不要でございます』
・・・やっぱりめちゃくちゃ驚いているようだ・・・。
「さっきも言っただろう、エリーゼは奥ゆかしい性格だからな。そのような反応をするとエリーゼが困ってしまう」
『失礼致しました、エリーゼ様』
クラウドのフォローによって使用人さんに謝られてしまった。
「い、いえ。私の対応で困らせてしまってすみません。私はこういう性格ですので困らせてしまう事が多いかもしれませんが、なるべく早く慣れるようにしますね」
『エリーゼ様は本当に優しい方なのですね』
「そんな事ありません。私は人に色々やっていただく事に慣れていなくて、お礼を言ってしまうのは癖のようなものですので」
『ではこちらが早く慣れるように致しますね。エリーゼ様に気を遣わせてしまうのは私共の本意ではありませんので』
「そうだぞ、エリーゼ。お前は好きなようにしていて良い」
私の好きなようにして良いって言っても、私がお礼を言う度に困られてしまうのも私も困ってしまう。
「とりあえず、朝食を食べるぞ」
「そうですね。いただきます」
せっかく用意してくれたんだ。
温かいうちに食べなくては失礼だろう。
昨日は一人で食事を取ったが今日はクラウドがいる。
ただそれだけで食事を取る時の気分がとても変わっている事に驚いた。
誰かと食事を取るからなのか、クラウドと食事を取るからなのか、理由はまだ分かりそうにない。
私はもう一度心の中で「いただきます」と言ってから食事を始めた。
一体何人で食事を取るのだろうか、と思うぐらい広い、広すぎる・・・。
「どうした、エリーゼ?座らないのか?」
クラウドにそう言われたのは良いけれど、どこに座ったら良いのだろうか?
椅子が多すぎてどこに座るのが正解なのか・・・。
「ほら、ここに座ると良い」
悩んでいる私に気づいたクラウドが自分の近くの椅子を引いてくれた。
「ありがとう」
『ク、クラウド様!!私がやりましたものを・・・』
使用人さんが焦りながらクラウドにそう言った。
確かに・・・次期国王にわざわざ椅子を引いてもらうなんて良くないのではないか?
「気にするな。エリーゼはまだここに慣れていない。俺の運命の相手なんだ。慣れるまでの間俺が出来る限り世話をする」
平然と言ってのけるクラウドに使用人は諦めたように溜息をついた。
「さあ、エリーゼに食事を持ってきてくれ」
クラウドが少し笑いながら使用人さんに言うと次々と食事を運んできてくれた。
「ありがとうございます」
私が運んできてくれた人にお礼を言うと、使用人さんはやっぱり驚いてしまった。
『いえ、あの、お礼など不要でございます』
・・・やっぱりめちゃくちゃ驚いているようだ・・・。
「さっきも言っただろう、エリーゼは奥ゆかしい性格だからな。そのような反応をするとエリーゼが困ってしまう」
『失礼致しました、エリーゼ様』
クラウドのフォローによって使用人さんに謝られてしまった。
「い、いえ。私の対応で困らせてしまってすみません。私はこういう性格ですので困らせてしまう事が多いかもしれませんが、なるべく早く慣れるようにしますね」
『エリーゼ様は本当に優しい方なのですね』
「そんな事ありません。私は人に色々やっていただく事に慣れていなくて、お礼を言ってしまうのは癖のようなものですので」
『ではこちらが早く慣れるように致しますね。エリーゼ様に気を遣わせてしまうのは私共の本意ではありませんので』
「そうだぞ、エリーゼ。お前は好きなようにしていて良い」
私の好きなようにして良いって言っても、私がお礼を言う度に困られてしまうのも私も困ってしまう。
「とりあえず、朝食を食べるぞ」
「そうですね。いただきます」
せっかく用意してくれたんだ。
温かいうちに食べなくては失礼だろう。
昨日は一人で食事を取ったが今日はクラウドがいる。
ただそれだけで食事を取る時の気分がとても変わっている事に驚いた。
誰かと食事を取るからなのか、クラウドと食事を取るからなのか、理由はまだ分かりそうにない。
私はもう一度心の中で「いただきます」と言ってから食事を始めた。