リナリアの王女

 「グレンなら自分の執務室にいるはずだよ」

私が何も言っていないにも拘らず会話を続けるクラウド。
正直ここまでの反応が返ってくると思わなかった。
たまには素直になってみるのも良いかもしれない。
とクラウドの可愛らしい反応を見ながら密かに考えた。

「グレンさんも執務室があるの?」
このままだったらずっとクラウドが一人で話し続ける事になりそうだったので、いい加減私も会話に参加する事にした。
「ああ、あいつもやる事が多いからな。グレン専用の執務室があった方が何かと都合が良いんだ」

確か、クラウドに代わって細々とした事などを取り仕切っているとサラちゃんが言っていたっけ。

「じゃあこの前この部屋にいたのは偶々って事ね」
「まあ色々な報告をする為にここに来ることは多いんだけどね。普段からここにいるわけじゃない」
「そうだったのね」

私が知らない事はまだまだ沢山ありそうだ。
そこからは取り留めもない事を話し続けた。
そして近いうちにバラの手入れを教えてもらう約束を取り付けて彼とのお茶会を終えた。





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