リナリアの王女
「確かに、運命の相手を見つける事が出来なければ俺は国王になる事は出来ない。しかし、それだけでエリーゼを欲していたわけではない。俺はお前を、エリーゼを愛しているのだ」
「私の事を愛しているって・・・会った事もない女の事なんかどうして愛せるっていうの?」
「会った事はないが、“見て”いたんだ」
「見ていたって・・・」
「俺はエリーゼが生まれた時から今になるまでを見ていた。エリーゼと同じように夢の中でな」
私の成長を夢の中で見ていた?
そんな事本当にあるの・・・?
「エリーゼを幼い頃から見ていた。昔もよく泣いていたな。転んで泣いたり、周りからからかわれて泣いたり。ピアノが得意なのも知っている。今度俺の為に弾いてもらいたいものだな」
遠くに想いを馳せている感じがする。
昔を思い出すような・・・。
生憎今の私にはそんな記憶はない。
でも、この人に言われるとそんな事もあったように感じる。
この人は本当に私を見ていたんだ・・・。
嘘なんかじゃない・・・。
「夢でしか見る事が出来ず、触れる事も出来ないこの十数年間、本当に辛かった。いつだっただろうか。もうわからないぐらい昔から俺はエリーゼ、お前の事を愛するようになっていたんだ」
その瞳に嘘はないようだった。
なにより、私はこの蒼い瞳にどうしてか弱いようだ。
この瞳に見つめられながら言われる事全て、真実のように聞こえてしまうのだから。
「すぐに信じる事は出来ないだろう。ゆっくりで良い。ゆっくり俺を知ってくれ。さっき言っただろう?もう十分に待ったんだ。あと少し待つぐらいなんでもない」
それに、と男性は続ける。
「夢の中ではなく、やっと俺の目の前に現れてくれたんだ。これからはいつでも会話をする事が出来るし、触れる事も出来るんだ」
そう言いながら、私の髪に口づけをして男性――――――クラウドがにっこりと微笑んだ。
「私の事を愛しているって・・・会った事もない女の事なんかどうして愛せるっていうの?」
「会った事はないが、“見て”いたんだ」
「見ていたって・・・」
「俺はエリーゼが生まれた時から今になるまでを見ていた。エリーゼと同じように夢の中でな」
私の成長を夢の中で見ていた?
そんな事本当にあるの・・・?
「エリーゼを幼い頃から見ていた。昔もよく泣いていたな。転んで泣いたり、周りからからかわれて泣いたり。ピアノが得意なのも知っている。今度俺の為に弾いてもらいたいものだな」
遠くに想いを馳せている感じがする。
昔を思い出すような・・・。
生憎今の私にはそんな記憶はない。
でも、この人に言われるとそんな事もあったように感じる。
この人は本当に私を見ていたんだ・・・。
嘘なんかじゃない・・・。
「夢でしか見る事が出来ず、触れる事も出来ないこの十数年間、本当に辛かった。いつだっただろうか。もうわからないぐらい昔から俺はエリーゼ、お前の事を愛するようになっていたんだ」
その瞳に嘘はないようだった。
なにより、私はこの蒼い瞳にどうしてか弱いようだ。
この瞳に見つめられながら言われる事全て、真実のように聞こえてしまうのだから。
「すぐに信じる事は出来ないだろう。ゆっくりで良い。ゆっくり俺を知ってくれ。さっき言っただろう?もう十分に待ったんだ。あと少し待つぐらいなんでもない」
それに、と男性は続ける。
「夢の中ではなく、やっと俺の目の前に現れてくれたんだ。これからはいつでも会話をする事が出来るし、触れる事も出来るんだ」
そう言いながら、私の髪に口づけをして男性――――――クラウドがにっこりと微笑んだ。