リナリアの王女
エピローグ:いつか、きっと
『僕が守ってあげるよ―――――――』
『えりな、起きなさい』
お母さんの声で夢から目覚めた。
『まだ寝惚けてるの?』
「あのね、夢の中で男の子が、僕が守ってあげるって言ってくれたの!」
優しそうな男の子だった。
いつも私をからかって泣かせてくる男の子達とは違って、優しくてどんな事からも絶対に守ってくれる気がした。
『素敵な夢を見たのね。でもそろそろ起きないと遅刻しちゃうわよ』
お母さんは私の話しを聞きながら手際良く私が今日着る服を準備していく。
「いつ私に会いに来てくれるのかな!?」
私はご飯を食べながらお母さんに夢の男の子がいつ会いに来てくれて、私を守ってくれるのかを聞いた。
『えりながもう少し大きくなったらきっと会いに来てくれるわよ』
「えー!すぐに会いに来てくれないのー!?」
私はお母さんの返答に不満を持った。
何ですぐに会いに来てくれないの!?
今日だって学校に行ったら、また男の子達にからかわれて泣かされるかもしれない。
今すぐにだって会いに来てほしいのに!
守ってくれるって言ったのに!!
『さぁ、そろそろ学校に行かないと本当に遅刻しちゃうわよ』
私が時計を確認すると、いつも家を出る時間になっていた。
「わぁ!急がないと遅刻しちゃう!!お母さん、行ってきまーす!!」
こうして私の日常が始まった。