長すぎた初恋の延長戦
きみとのひび
元々恋愛経験が全くと言って良い程無い私が、優しく接してくれる文也に惹かれていくのなんて、そう時間のかかる事ではなかった。
「燈って丸井と仲良いよね。」
高校に入学して一ヶ月程経った頃、委員会が一緒になったのをきっかけに仲良くなった友達に言われたこの一言。
「そう…かな?別に普通だよ。」
「えー、だってよく話してるじゃん。」
正直な話、私はこの頃にはもう文也の事を意識してたんだ。
ちょっかいばかり出してきて意地悪だと思う事もあるけど、なんだかんだで優しかったりして。
だけどまだ恋なんてした事が無かった私は、その微かに生まれた想いの正体に気付けないで、友達からの追求にただ苦笑を浮かべるばかりだった。
「お似合いだと思うんだけどなー、燈と丸井。」
「もー、やめ…った、なに?」
この時も例外無く、大声で文也の名前を口にする友達に制止の声をかけようとしたんだけど、ちょうどその時後ろから誰かに頭を小突かれた。
「何はこっちの台詞。俺の名前出てただろ、何の話してたんだよ。」
まあ…誰か、なんて言うのは勿論文也だったんだけど。
そして当然、話題の張本人が出てきて私はすごいテンパっちゃって。
「燈がさー、丸井と仲良いよねって言ったらすごい勢いで否定するんだよー。」
「ちょっ…!」
あながち間違いでも無い事を言われて、私はきっと耳まで真っ赤にさせて、口をパクパク開閉するしか出来なかったんだ。
「…仲良いじゃん、俺ら。…ちげーの?」
「!…ち、ちが…くない…。」
あの時のシュンとした文也の顔。今でも覚えてる。
…ついでに隣でニヤニヤしてた友達の顔もバッチリと記憶に焼き付いている。
「やっぱ仲良いじゃん、丸井と。」
からかうだけからかって文也が去って行ったのを見計らってから、ポツリと溢す様に言われたこの言葉に私は激しく首を左右に振った。
「て言うか…好きでしょ、丸井のこと。」
「は、はい!?なんでそうなるの!」
もうやだ、恥ずかしい。そんな思いで一杯だったな、この時は。
「顔、真っ赤だよ。」
ほっぺが熱くて。だけど認めたくなくて。
芽生え始めたこの思いに、気付かないふりをしていた。
「燈って丸井と仲良いよね。」
高校に入学して一ヶ月程経った頃、委員会が一緒になったのをきっかけに仲良くなった友達に言われたこの一言。
「そう…かな?別に普通だよ。」
「えー、だってよく話してるじゃん。」
正直な話、私はこの頃にはもう文也の事を意識してたんだ。
ちょっかいばかり出してきて意地悪だと思う事もあるけど、なんだかんだで優しかったりして。
だけどまだ恋なんてした事が無かった私は、その微かに生まれた想いの正体に気付けないで、友達からの追求にただ苦笑を浮かべるばかりだった。
「お似合いだと思うんだけどなー、燈と丸井。」
「もー、やめ…った、なに?」
この時も例外無く、大声で文也の名前を口にする友達に制止の声をかけようとしたんだけど、ちょうどその時後ろから誰かに頭を小突かれた。
「何はこっちの台詞。俺の名前出てただろ、何の話してたんだよ。」
まあ…誰か、なんて言うのは勿論文也だったんだけど。
そして当然、話題の張本人が出てきて私はすごいテンパっちゃって。
「燈がさー、丸井と仲良いよねって言ったらすごい勢いで否定するんだよー。」
「ちょっ…!」
あながち間違いでも無い事を言われて、私はきっと耳まで真っ赤にさせて、口をパクパク開閉するしか出来なかったんだ。
「…仲良いじゃん、俺ら。…ちげーの?」
「!…ち、ちが…くない…。」
あの時のシュンとした文也の顔。今でも覚えてる。
…ついでに隣でニヤニヤしてた友達の顔もバッチリと記憶に焼き付いている。
「やっぱ仲良いじゃん、丸井と。」
からかうだけからかって文也が去って行ったのを見計らってから、ポツリと溢す様に言われたこの言葉に私は激しく首を左右に振った。
「て言うか…好きでしょ、丸井のこと。」
「は、はい!?なんでそうなるの!」
もうやだ、恥ずかしい。そんな思いで一杯だったな、この時は。
「顔、真っ赤だよ。」
ほっぺが熱くて。だけど認めたくなくて。
芽生え始めたこの思いに、気付かないふりをしていた。