不機嫌プロポーズ




次に彼女と同じシフトの日は本当に休もうかと思った




絶対に振られる、というか振られないわけないじゃん




俺、『大嫌い!』とまで言われた男だぞ




そんな奴にいきなり上から目線で『付き合ってやるよ』なんて言われても、普通にお前、何様のつもりだよってなっているに決まってんじゃん




振られるのを覚悟の上でノコノコトとバイトに向かったのはやっぱり彼女に会いたいからであった





でもやっぱり会いたくなーって自分自身で矛盾を生み出していたとき、更衣室に続く廊下でばったりと彼女に会ってしまった




まさかこんなに早く遭遇してしまうとは?!




この間のこともあって、二人の間に微妙な空気が流れる




そりゃあいきなりあんなこと言われてもなぁ…




もうこりゃあ確実に振られたと確信し、彼女の横をすり抜けて、更衣室に向かおうとすると




『ま、待って!!』




今まで彼女を呼び止めることはあっても、呼び止められたことなど一度もなかった俺は吃驚して振り返ると、見たこともないぐらい顔を真っ赤にさせた彼女が口を何度もパクパクさせ、息を大きく吸いこみ、そして






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