不機嫌プロポーズ
『あ、あの…よ、よろしくお願いします!!』
『……は?』
あまりにも唐突すぎて一瞬、何のことを言っているのかまったくわからなかったが、すぐにそれがあの超上から目線の告白の返事だと気づいた
えっ…さっき、『よろしくお願いします』って言った?
そ、それってつまり…えっ!?ちょっと待って!!
どういうことなのかを彼女に聞こうとしても、気づいたときには既に目の前から姿を消しており
さっきの出来事は果たして現実なのかと千切れるぐらい頬をつねってみたが、ものすごく痛かった
えっ、なんで?
絶対に振られると思っていたのに、まさかの逆転ホームランを当ててしまい、もうわけのわからない俺はその日は何をやってもまったく身に入らず、今日は俺が店長に叱られる羽目になった
あとから話を聞くところによると、俺の告白の真意がわからなかった彼女が友人たちに片っ端から相談したところ
彼女以外バレバレだった俺の恋心を知る中学時代の同級生だった一人が、ついに告白をした俺のことを必死にフォローしたらしく、それに背中を押された彼女はとりあえずそれが本当なのか確かめるべく俺との交際を承諾したわけで
いつも余計なことしかしない女だったが、今回のことに関しては一生頭が上がらないかつての同級生に感謝しながらも、俺と彼女の交際が始まった