不機嫌プロポーズ
やっと同じクラスになれたと言っても、俺は自分が思っている以上に根性がないやつだったらしく、一学期の中盤になっても中々話しかけられないでいた
そんな時に彼女に話しかけられるまたとないチャンスがやってきた
なんと席替えで彼女が俺の前の席へと移動してきたのだ
これはどう考えてもお近づきになれるチャンス
今までにないぐらい心臓がバクバクと鳴る中、俺はやっとのことで彼女に最初の一言をかけた
『おい、チビ』
それが俺の口から発せられた彼女への第一声だった
言っておくが本心じゃないから
確かに彼女は平均より少し小さめだが、だけどそんな完璧に彼女に嫌われるような言葉を好き好んで言ったわけではない
気付いたら口から勝手に出ていたのだ
まさか自分の口からそんな言葉が発せられるとは思わず驚いていると、前の席の彼女も口をポカーンと開け、心底ビックリしている様子だった
さっきの言葉を撤回しようとまた口を開くが、出てくるのは全部まったく思ってもいないことで、結局彼女とのファーストコンタクトは悲惨なものになった