不機嫌プロポーズ





彼女と一緒にいられるだけでも十分に幸せなのだが、人というのは案外欲深いものでそれ以上の幸福を欲してしまう




それは俺にももちろん当てはまることで、彼女との交際は意外にも数年も続き、お互い大学を卒業するころには同棲を始めていた




一緒に住んでいるからといって以前より一緒にいられるということもなく、俺も彼女も社会人になり仕事が忙しく、むしろ前より一緒に過ごす時間が減ってしまった




別にそれだけで不満を抱くことはないが、でもやっぱり出来ることならもっと一緒にいたい




俺のワガママかもしれないけど、これかもずっとずっとお前の傍にいたいんだよ




だから、俺は二度目の一世一代の告白をすることにした






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