不機嫌プロポーズ
そう意気込んだのはいいが、何せ初めての告白に数年以上もかかったのだ、そんな簡単に伝えられるはずもなく、また時間だけが虚しく流れていく
このままじゃ何時まで経っても言えるわけない!!と俺はやっとのことで彼女に言いたいことがあると、だから早く帰って来いと伝えることが出来た
その日はたぶん俺の一生の中で一番緊張した日で、朝から胸がバクバク鳴って、昼間は仕事中にも関わらず気持ち悪くなって同僚に心配かけられたりもしたが、刻々と時間が過ぎていき、気づいたら既に帰宅時間になっていた
彼女の仕事場は俺のとこよりも少し家から離れた場所にあり、部屋に着くのはいつも俺の方が早い
いつもならリビングで彼女の帰りを待っているのだが、ジッとしていると頭の中でイヤなことを考えてしまうので、気を惑わせるために普段立つことのない台所に立ち、夕食の準備を始める
ちなみに彼女は破壊的に不器用で、最初のころは目玉焼きさえも失敗させていた
まぁそれでも最近はマシになってきたほうで、五分の一の確率で成功するようになってきた
そんな風に彼女の成長を近くで感じられることも幸せだと思える