不機嫌プロポーズ
『だってその写真って、中学のときの修学旅行のときので、君は写ってないよね?!なんで持ってるの?!この中に好きな子がいたってことだよね!!』
『いや、あの…』
お前に決まってるだろうが、バカ!!
中学のときに誰にも気づかれぬように買った写真に写っていたのは彼女と彼女を取り巻く友人たちであり、いったい何を勘違いしているのか、俺が中学に好きだった女がそこに写っていると思っているらしい
『あーちゃん?しーちゃん?けーちゃん?それとも、ゆーちゃん?』
『誰だよ、それ。てか、全員同じように聞こえるんだが…』
何故こいつは自分のことだとは思わない
お前だって写ってるだろうが、ど真ん中に
だけど彼女目当てで買った上に、今も大切に保管しているということなんて恥ずかしくて言えるはずもない
『だ、誰でもいいだろうが。お前だってそん時他に好きなやついただろうが。昔の話だ、昔の』
写真を元あった場所に戻しながら誤魔化すが、彼女はどうやら不服らしく、まだじとーとこっちを見てくる