不機嫌プロポーズ
彼女が他の男と付き合い始めるなんてことになるなんて、想像しただけで泣きそうになる
自分勝手なことに、彼女になんとかしてその委員長を諦めさせようと、毎日彼女の元に訪ねては、ひっどい暴言を吐き続ける
どうして自分はこんな方法しか出来ないのかと、本気で自己嫌悪に陥ったが、そのときは本当に必死だった
そしてある日、彼女の友人の一人が、要らぬことをしてくれたおかげで、彼女は告白することを決意してしまった
彼女からの告白なんて夢で願っても絶対にされない俺は心底それを羨んだが、そんな場合ではない
もしお相手の委員長がそれを承諾して、お付き合いなんてものを始めたりなんかしたらと思うと気が気ではなかった
最低なことに、俺は『振られてしまえばいいのに』なんてことを思っていると、本当にその通りになった
彼女は告白をして、そして振られた
それを知ったのは課題を忘れた罰として居残りをさせられた帰り道のことだった