Green girl
『やってほしいのは、高校の非常勤講師なんだよなー。』
「講師?」

講師って、あれだ。ほとんど教師と変わらない。学校の講師なんて都に採用されてるかされてないかぐらいかだろう。
俺が教える側って...。

『最初は俺に回ってきた仕事なんだよ。でも日中暇してないし。戸郷空いてるでしょ?』
「...」

先輩に何も言い返せなかった。確かに、時間的な面で相応しいのは泰輔だろう。

『だめか?』
「全然だめやないんですけど...コミュニケーションが俺ちょっと...」

会話が急に途切れた。携帯の向こう側ではうーんという先輩の低い唸り声が聞こえる。


『確かに性格的な面で見たら向いてないかもなー...でも一時的なんだよ、本当に』
「俺高校生とか本当に無理っすよ。生意気なのは嫌いですし」
『そんな塞ぎこむことないだろー!
学生なんてそんなもんさ。高3だったらそんなに大学生とも変わらないだろ』

泰輔はだんまりした。
ただでさえ会話の苦手な泰輔が高校生の相手なんて出来るわけがない。口を開いてもぶきらっぽうに映るらしいのに。今までそれでも通用してきていたし、あまり気にしてはいなかったが、い死活問題になる立場に立たされるとなると泰輔は相当厳しいと気づかされた。


そして今現在泰輔は、この先輩との話をするのも面倒に感じていた。
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