イジワル婚約者と花嫁契約
「見合いをして一ヵ月も経つ。それなのにいまだに関係を続けているってことは、灯里にとってアイツは特別な存在なんだろ?」って――。
「両親はもちろん、灯里も認めた男ならそれなりに問題はないはず。……だから俺が独自に見極めてやる」って――。
昔から少しでも私が男の子と仲良くしているとすぐに割って入ってきて、散々なことをしてきたけれど、こんなことは初めてだった。
お兄ちゃんは見極めると言っていたけれど、それは健太郎さんを認めている前提の話だ。
認めてくれていなかったら、見極めることさえしなかったはず。
それに初めてだった。
お兄ちゃんを目の前にしても、逃げずにあんな風に言い返してくれたのは。
健太郎さんが初めてだった。
「あ、メールがきてる」
自宅に到着し、部屋で一息ついた後何気なくスマホを見ると、そこには新着メールが一件。
件名にはすっかり見慣れてしまった言葉が書かれていた。
“嫁になるための十ヶ条”と――。
「両親はもちろん、灯里も認めた男ならそれなりに問題はないはず。……だから俺が独自に見極めてやる」って――。
昔から少しでも私が男の子と仲良くしているとすぐに割って入ってきて、散々なことをしてきたけれど、こんなことは初めてだった。
お兄ちゃんは見極めると言っていたけれど、それは健太郎さんを認めている前提の話だ。
認めてくれていなかったら、見極めることさえしなかったはず。
それに初めてだった。
お兄ちゃんを目の前にしても、逃げずにあんな風に言い返してくれたのは。
健太郎さんが初めてだった。
「あ、メールがきてる」
自宅に到着し、部屋で一息ついた後何気なくスマホを見ると、そこには新着メールが一件。
件名にはすっかり見慣れてしまった言葉が書かれていた。
“嫁になるための十ヶ条”と――。