イジワル婚約者と花嫁契約
第六条『嫉妬すること』
まさかのお兄ちゃんと健太郎さんが鉢合わせしてしまった日から、早一週間――。
今日もまた夏の暑い一日となりそうな、蒸し暑い朝。
なるべく足音を立てぬようそっと部屋を出た。
そしてまるで泥棒のように周囲を見回す。
よし、お兄ちゃんの姿はない。
隣にあるお兄ちゃんの部屋からは物音ひとつしない。
今日は朝一で会議だとリサーチ済みだったものの、もしかしたら待ち構えているかもしれないと疑っていた。
でもそんな心配無用だったようだ。
第一お兄ちゃんには有能すぎる秘書の田中さんがついている。
会議に向けて既に田中さんによってお兄ちゃんは会社に行ったはず。
そう納得すると変な緊張感は解かれていき、足取り軽く階段を下りていく。
あの日から一週間。
お兄ちゃんは今まで以上に過保護になった。
通勤は必ず一緒だし、時間が合えばランチも一緒。帰宅時間だってお兄ちゃんに合わせられてしまっている状態だ。
おかげでここ最近、田中さんのお手伝いという名の残業続きで毎日ヘトヘトになる。
今日もまた夏の暑い一日となりそうな、蒸し暑い朝。
なるべく足音を立てぬようそっと部屋を出た。
そしてまるで泥棒のように周囲を見回す。
よし、お兄ちゃんの姿はない。
隣にあるお兄ちゃんの部屋からは物音ひとつしない。
今日は朝一で会議だとリサーチ済みだったものの、もしかしたら待ち構えているかもしれないと疑っていた。
でもそんな心配無用だったようだ。
第一お兄ちゃんには有能すぎる秘書の田中さんがついている。
会議に向けて既に田中さんによってお兄ちゃんは会社に行ったはず。
そう納得すると変な緊張感は解かれていき、足取り軽く階段を下りていく。
あの日から一週間。
お兄ちゃんは今まで以上に過保護になった。
通勤は必ず一緒だし、時間が合えばランチも一緒。帰宅時間だってお兄ちゃんに合わせられてしまっている状態だ。
おかげでここ最近、田中さんのお手伝いという名の残業続きで毎日ヘトヘトになる。