イジワル婚約者と花嫁契約
「灯里、どうなんだ?その……交際の方は」
「――え?」
いつものように素っ気ない【おはよう】メールに返信を打つ手が止まってしまった。
スマホからお父さんへと視線を向ければ、気まずそうに新聞を読んでいた。
「いや、な。ほら和臣に知られてしまっただろう?……だから心配でな」
「フフフ、お父さんも私も佐々木さんのことお気に入りなのよ」
すかさずフォローに入ったお母さんに、お父さんはまた大袈裟なくらい咳払いをした。
「まぁあれだ。和臣がなにかしているようならすぐに言いなさい。……応援しているから」
お父さん……。
照れているのか新聞を大きく広げ、顔を隠されてしまった。
そんなお父さんの後ろでお母さんは、可笑しそうにクスクスと笑っている。
最初話を聞いた時は、「私のため」なんて言った両親に腹が立った。
だけど今はまんまとふたりの思惑通りに進んでいる気がしてならない。……ふたりは最初から分かっていたのかな?
私がこんなに健太郎さんに惹かれてしまうことを――……。
「――え?」
いつものように素っ気ない【おはよう】メールに返信を打つ手が止まってしまった。
スマホからお父さんへと視線を向ければ、気まずそうに新聞を読んでいた。
「いや、な。ほら和臣に知られてしまっただろう?……だから心配でな」
「フフフ、お父さんも私も佐々木さんのことお気に入りなのよ」
すかさずフォローに入ったお母さんに、お父さんはまた大袈裟なくらい咳払いをした。
「まぁあれだ。和臣がなにかしているようならすぐに言いなさい。……応援しているから」
お父さん……。
照れているのか新聞を大きく広げ、顔を隠されてしまった。
そんなお父さんの後ろでお母さんは、可笑しそうにクスクスと笑っている。
最初話を聞いた時は、「私のため」なんて言った両親に腹が立った。
だけど今はまんまとふたりの思惑通りに進んでいる気がしてならない。……ふたりは最初から分かっていたのかな?
私がこんなに健太郎さんに惹かれてしまうことを――……。