イジワル婚約者と花嫁契約
聞かされる方は気まずい。
「ところで灯里、今日の予定は?……まさか今日こそこっそり会う約束なんてしていないよな?」
「なっ、ないよそんな予定なんて!」
始まってしまった。毎朝恒例行事が。
「本当か?嘘ついていないよな?」
いつもだったらこれで終わるのに、なぜか今日は引かないお兄ちゃん。
「今日の予定、聞いているんだろ?俺が忙しいことをいいことに、ふたりで会ったりしたら許さないからな!」
「だから会わないってば」
あれから一度も誘われたことないし、なにより連絡だってまともに取れていない状態なんだから!
再度強い口調で言うと、やっと信じてくれた様子。
だけど今度はなぜか眉間に皺を寄せて唸りだした。
「しかしアレだな。俺にあんな啖呵切っておいて、全然アクション起こしてこないとは……。こっちは奴の交戦に供えて準備を進めているというのに。……気が抜ける」
本当に気が抜けたのか、座席の背もたれに体重を預けた。
でもお兄ちゃんの言う通りだ。
忙しいのかもしれないけれど、なんかちょっと私も気が抜けちゃう。
だって“俺以上に灯里を嫁にしたいと思っている男はこの世にいない”とか言っていたくせに……!
「ところで灯里、今日の予定は?……まさか今日こそこっそり会う約束なんてしていないよな?」
「なっ、ないよそんな予定なんて!」
始まってしまった。毎朝恒例行事が。
「本当か?嘘ついていないよな?」
いつもだったらこれで終わるのに、なぜか今日は引かないお兄ちゃん。
「今日の予定、聞いているんだろ?俺が忙しいことをいいことに、ふたりで会ったりしたら許さないからな!」
「だから会わないってば」
あれから一度も誘われたことないし、なにより連絡だってまともに取れていない状態なんだから!
再度強い口調で言うと、やっと信じてくれた様子。
だけど今度はなぜか眉間に皺を寄せて唸りだした。
「しかしアレだな。俺にあんな啖呵切っておいて、全然アクション起こしてこないとは……。こっちは奴の交戦に供えて準備を進めているというのに。……気が抜ける」
本当に気が抜けたのか、座席の背もたれに体重を預けた。
でもお兄ちゃんの言う通りだ。
忙しいのかもしれないけれど、なんかちょっと私も気が抜けちゃう。
だって“俺以上に灯里を嫁にしたいと思っている男はこの世にいない”とか言っていたくせに……!