イジワル婚約者と花嫁契約
「灯里、それどういう意味?」
驚いた声を上げ、問いかけてくる健太郎さんに返す言葉が見つからない。
だってどう言えばいいの?
正直に話せばいいの?私のこと本気じゃない人に「好きになりました」「他の人と一緒にいるところを見てしまい、落ち込んでいました」って。
「……っもう無理」
「――え?」
その言葉と同時に、強引に引かれた腕。
一瞬のことにお兄ちゃんも私の身体を離し、そのまままた健太郎さんの腕の中に戻ってしまった。
「おいっお前っ……!」
「すみませんがこれは俺と灯里の問題なので、お兄さんは引っ込んでもらえますか?つーか口出ししないで下さい」
「なっ……!」
有無を言わさぬようピシャリと言い捨てると、お兄ちゃんは口をパクパクさせている。
「行くぞ」
そんなお兄ちゃんには目もくれず、健太郎さんは急に背中と膝裏に手を当てると、そのまま軽々と私の身体を抱き上げた。
「けっ、健太郎さん!?」
身体は宙を浮き、健太郎さんの顔が至近距離にあって、もう頭の中はパニック状態。
しかもなにこれ。こんなの恥ずかしすぎる!
驚いた声を上げ、問いかけてくる健太郎さんに返す言葉が見つからない。
だってどう言えばいいの?
正直に話せばいいの?私のこと本気じゃない人に「好きになりました」「他の人と一緒にいるところを見てしまい、落ち込んでいました」って。
「……っもう無理」
「――え?」
その言葉と同時に、強引に引かれた腕。
一瞬のことにお兄ちゃんも私の身体を離し、そのまままた健太郎さんの腕の中に戻ってしまった。
「おいっお前っ……!」
「すみませんがこれは俺と灯里の問題なので、お兄さんは引っ込んでもらえますか?つーか口出ししないで下さい」
「なっ……!」
有無を言わさぬようピシャリと言い捨てると、お兄ちゃんは口をパクパクさせている。
「行くぞ」
そんなお兄ちゃんには目もくれず、健太郎さんは急に背中と膝裏に手を当てると、そのまま軽々と私の身体を抱き上げた。
「けっ、健太郎さん!?」
身体は宙を浮き、健太郎さんの顔が至近距離にあって、もう頭の中はパニック状態。
しかもなにこれ。こんなの恥ずかしすぎる!