イジワル婚約者と花嫁契約
「灯里、また連絡する。……さっきの続きはその時な?」
「――え?」
怒り狂うお兄ちゃんには目もくれず、意味深な言葉を残しウインクする健太郎さん。
さっきの続きってもしかして……。
その言葉の意味が分かってしまい、身体は急激に熱を帯びていく。
「……っ!灯里帰るぞ!」
「えっ……あっ!」
強引に肩を抱いたまま歩き出したお兄ちゃんに連れていかれるがまま状態の私。
それでも去り際振り返って見れば、健太郎さんが笑顔で手を振っていた。
さっきまでのことは夢じゃないんだよね?……健太郎さんも私と同じ気持ちでいてくれるんだよね?
そう思うとこんな状況だというのに、胸の奥が苦しくて嬉しくて堪らない気持ちになってしまう。
そのまま田中さんが運転する車に乗せられ、自宅に向かう途中もお兄ちゃんは散々健太郎さんの悪口を言ってきたけれど、ひとつも耳に響いてこなかった。
ただ健太郎さんのことばかり考えてしまっていた。
その夜、健太郎さんから例のメールが届いた。
【第六条 嫉妬すること】
することもなにも、もう嫉妬しちゃったんだけど、な。
それでも怒りのメールを送らず【分かりました】と送ったのは、私が彼のことを本気で好きになってしまったからかもしれない。
「――え?」
怒り狂うお兄ちゃんには目もくれず、意味深な言葉を残しウインクする健太郎さん。
さっきの続きってもしかして……。
その言葉の意味が分かってしまい、身体は急激に熱を帯びていく。
「……っ!灯里帰るぞ!」
「えっ……あっ!」
強引に肩を抱いたまま歩き出したお兄ちゃんに連れていかれるがまま状態の私。
それでも去り際振り返って見れば、健太郎さんが笑顔で手を振っていた。
さっきまでのことは夢じゃないんだよね?……健太郎さんも私と同じ気持ちでいてくれるんだよね?
そう思うとこんな状況だというのに、胸の奥が苦しくて嬉しくて堪らない気持ちになってしまう。
そのまま田中さんが運転する車に乗せられ、自宅に向かう途中もお兄ちゃんは散々健太郎さんの悪口を言ってきたけれど、ひとつも耳に響いてこなかった。
ただ健太郎さんのことばかり考えてしまっていた。
その夜、健太郎さんから例のメールが届いた。
【第六条 嫉妬すること】
することもなにも、もう嫉妬しちゃったんだけど、な。
それでも怒りのメールを送らず【分かりました】と送ったのは、私が彼のことを本気で好きになってしまったからかもしれない。