イジワル婚約者と花嫁契約
健太郎さんの仕事が忙しいっていうのもあったけど、会えなかった一番の原因はお兄ちゃんだった。
何度か家に訪ねてきてくれたというのに、お兄ちゃんによって門前払い。
それに今まで以上に監視の目が厳しくなってしまった。
おかげで電話もできず、お兄ちゃんにバレないようこっそりメールのやり取りをしていただけだった。
あの日……健太郎さんに対する気持ちが溢れてしまったあの日から、まだ一度も会えていない。
最初はあんなに嫌いで堪らなかったのに、会えないだけで寂しくて堪らなかった。
そして会えない分、気持ちも大きくなる一方だった。
「脱出成功」
無事に家を抜け出すことができ、ホッと胸を撫で下ろす。
健太郎さんとは家の近くにある公園で待ち合わせをしている。
健太郎さん曰く、お兄ちゃんには正攻法でいってもだめだと理解したらしく、内緒でデートをしようって言ってきた。
それはつい三日前のことだった。
嬉しくて舞い上がっちゃって、唯一事情を知る千和さんに全てを打ち明け、デートに相応しい洋服をコーディネートしてもらったくらいだ。
その洋服に腕を通し、今私は健太郎さんとの待ち合わせ場所へと向かっている。
何度か家に訪ねてきてくれたというのに、お兄ちゃんによって門前払い。
それに今まで以上に監視の目が厳しくなってしまった。
おかげで電話もできず、お兄ちゃんにバレないようこっそりメールのやり取りをしていただけだった。
あの日……健太郎さんに対する気持ちが溢れてしまったあの日から、まだ一度も会えていない。
最初はあんなに嫌いで堪らなかったのに、会えないだけで寂しくて堪らなかった。
そして会えない分、気持ちも大きくなる一方だった。
「脱出成功」
無事に家を抜け出すことができ、ホッと胸を撫で下ろす。
健太郎さんとは家の近くにある公園で待ち合わせをしている。
健太郎さん曰く、お兄ちゃんには正攻法でいってもだめだと理解したらしく、内緒でデートをしようって言ってきた。
それはつい三日前のことだった。
嬉しくて舞い上がっちゃって、唯一事情を知る千和さんに全てを打ち明け、デートに相応しい洋服をコーディネートしてもらったくらいだ。
その洋服に腕を通し、今私は健太郎さんとの待ち合わせ場所へと向かっている。