イジワル婚約者と花嫁契約
しかもいつの間に寝てしまったのか、全然衣服を纏っていない状態に、ますます布団から顔を出せそうになくなる。
だけどそんな私をからかうように、健太郎さんは布団越しに抱きしめてきた。
「おいこら、なに恥ずかしがっているんだよ。今更だろ?」
「そっ、それはそうかもしれませんけど……!」
布団によって籠る声。
次第に息苦しさを感じてしまい、我慢できずゆっくりと布団から顔を出せば、笑顔の健太郎さんに迎え入れられる。
「おはよう、灯里」
「健太郎さ――……」
言葉が続かなかった。
だって唇を塞がれてしまったから――。
わざとリップ音を鳴らし離された唇。
本当にもう恥ずかしくて死にそうだ。
だけどこんなに幸せな朝を迎えたのは、生まれて初めてかもしれない。
「……おはようございます」
ワンテンポ遅れて挨拶をすれば、健太郎さんはゲラゲラと声を上げて笑った。
笑われているというのに、幸せな気持ちで心は埋め尽くされてしまう。
恋って現金なものだなって初めて思わされた。
だけどそんな私をからかうように、健太郎さんは布団越しに抱きしめてきた。
「おいこら、なに恥ずかしがっているんだよ。今更だろ?」
「そっ、それはそうかもしれませんけど……!」
布団によって籠る声。
次第に息苦しさを感じてしまい、我慢できずゆっくりと布団から顔を出せば、笑顔の健太郎さんに迎え入れられる。
「おはよう、灯里」
「健太郎さ――……」
言葉が続かなかった。
だって唇を塞がれてしまったから――。
わざとリップ音を鳴らし離された唇。
本当にもう恥ずかしくて死にそうだ。
だけどこんなに幸せな朝を迎えたのは、生まれて初めてかもしれない。
「……おはようございます」
ワンテンポ遅れて挨拶をすれば、健太郎さんはゲラゲラと声を上げて笑った。
笑われているというのに、幸せな気持ちで心は埋め尽くされてしまう。
恋って現金なものだなって初めて思わされた。