イジワル婚約者と花嫁契約
「こんなに仕事に行きたくないって思ったの、初めてだ」
急にそんなことを呟くと、身体を抱き寄せられる。
直に感じる健太郎さんのぬくもりに、身体が熱くなる。
「灯里とずっとこうしていたい」
そんなの私だって同じ。
だけどうまく言葉にすることができなくて、代わりにギュッと背中に腕を回し、意思表示をした。
すると頭上からはクスクスと笑い声が漏れてきた。
「分かったよ、灯里も同じだって」
あぁ、やっぱり健太郎さんには私の気持ちなんて全てお見通しなんだ。
だって言葉にしなくても、ちゃんと伝わるのだから。
時間ギリギリいっぱい、ずっと健太郎さんとお互いの存在を確かめあうように抱き合っていた。
「えぇっ!?ついにヤッ……」
「千和さん!!」
際どいワードに慌てて制止させるように声を張り上げると、千和さんは“しまった”と顔を顰めながら、小声で「ごめん」と謝ってきた。
いつもの昼休み。
昨夜のアリバイ工作ではないけれど、万が一に備え千和さんにも事情を話しておこうと思い、やってきたのは会社近くにある定食屋。
広い店内のほとんどは座敷席になっていて、メニューも豊富でリーズナブル。
急にそんなことを呟くと、身体を抱き寄せられる。
直に感じる健太郎さんのぬくもりに、身体が熱くなる。
「灯里とずっとこうしていたい」
そんなの私だって同じ。
だけどうまく言葉にすることができなくて、代わりにギュッと背中に腕を回し、意思表示をした。
すると頭上からはクスクスと笑い声が漏れてきた。
「分かったよ、灯里も同じだって」
あぁ、やっぱり健太郎さんには私の気持ちなんて全てお見通しなんだ。
だって言葉にしなくても、ちゃんと伝わるのだから。
時間ギリギリいっぱい、ずっと健太郎さんとお互いの存在を確かめあうように抱き合っていた。
「えぇっ!?ついにヤッ……」
「千和さん!!」
際どいワードに慌てて制止させるように声を張り上げると、千和さんは“しまった”と顔を顰めながら、小声で「ごめん」と謝ってきた。
いつもの昼休み。
昨夜のアリバイ工作ではないけれど、万が一に備え千和さんにも事情を話しておこうと思い、やってきたのは会社近くにある定食屋。
広い店内のほとんどは座敷席になっていて、メニューも豊富でリーズナブル。