イジワル婚約者と花嫁契約
都心部に所在している商業ビルの一角に百名程の社員が働いている。
私はそこで受付として働かせてもらっていた。
それというのも兄とは違い、私はコンピューター関係は全くだったから。
それでも兄の計らいで、就職活動で惨敗した私を雇ってくれたのだ。
全くの専門外の分野だけど、ずっと勉強は頑張っている。
「千和さん、おはようございます」
「おはよう、灯里ちゃん」
先に来ていたもう一人の受付業務担当の大川千和さん。
私より四つ年上の二十八歳。
気さくでサバサバした性格の彼女は、同性として憧れを抱いてしまうほど。
それに加えて美人だし、機転も利く。
私が勤めるまで受付業務全般は、ほとんど千和さん一人でこなしていたようだ。
「早速ミーティング始めましょうか」
「はい」
ふたり揃うとすぐに始まるミーティング。
この日の来訪客の確認が主な内容だ。
「それといよいよ今日帰ってくるわね、代表!」
最後にどこか夢心地に付け加えた千和さん。
「そうですね、一ヵ月ってなんかあっという間でした」
メモ帳に千和さんに言われたことを書き出していると、急にメモ帳を奪われてしまった。
私はそこで受付として働かせてもらっていた。
それというのも兄とは違い、私はコンピューター関係は全くだったから。
それでも兄の計らいで、就職活動で惨敗した私を雇ってくれたのだ。
全くの専門外の分野だけど、ずっと勉強は頑張っている。
「千和さん、おはようございます」
「おはよう、灯里ちゃん」
先に来ていたもう一人の受付業務担当の大川千和さん。
私より四つ年上の二十八歳。
気さくでサバサバした性格の彼女は、同性として憧れを抱いてしまうほど。
それに加えて美人だし、機転も利く。
私が勤めるまで受付業務全般は、ほとんど千和さん一人でこなしていたようだ。
「早速ミーティング始めましょうか」
「はい」
ふたり揃うとすぐに始まるミーティング。
この日の来訪客の確認が主な内容だ。
「それといよいよ今日帰ってくるわね、代表!」
最後にどこか夢心地に付け加えた千和さん。
「そうですね、一ヵ月ってなんかあっという間でした」
メモ帳に千和さんに言われたことを書き出していると、急にメモ帳を奪われてしまった。