イジワル婚約者と花嫁契約
「このくそ野郎!灯里を泣かせやがって!!」
耳にキーンと響く声に頭がクラクラする。
ふと前を見れば田中さんは素早く両耳を両手で塞いでいた。
そんな田中さんに感心しつつ、気になるのはお兄ちゃんの電話の相手。
「貴様にはなぁ、言ってやりたいことが山ほどある!それで何発も殴ってやりたいよ」
もしかしてお兄ちゃんが電話している相手って……健太郎さん?
ドキドキと胸が高鳴るも、私はただお兄ちゃんを見つめることしかできない。
「……で?灯里にはどう落とし前をつけるつもりだ?」
「え!?ちょっとお兄ちゃっ……」
ギョッとしすぐに詰め寄るものの、お兄ちゃんに静かにしろとゼスチャーされてしまう。
静かにしろと言われても困る!
「もちろんそれなりのことを考えているんだろうなぁ?」
意地悪そうな顔で電話越しの彼に問い掛ける姿に、顔が引きつる。
だってあまりに悪い人の顔になっているのだから。
だけどそれもその時だけで、何かを答えた彼にお兄ちゃんの表情は安心したように緩んでいく。
耳にキーンと響く声に頭がクラクラする。
ふと前を見れば田中さんは素早く両耳を両手で塞いでいた。
そんな田中さんに感心しつつ、気になるのはお兄ちゃんの電話の相手。
「貴様にはなぁ、言ってやりたいことが山ほどある!それで何発も殴ってやりたいよ」
もしかしてお兄ちゃんが電話している相手って……健太郎さん?
ドキドキと胸が高鳴るも、私はただお兄ちゃんを見つめることしかできない。
「……で?灯里にはどう落とし前をつけるつもりだ?」
「え!?ちょっとお兄ちゃっ……」
ギョッとしすぐに詰め寄るものの、お兄ちゃんに静かにしろとゼスチャーされてしまう。
静かにしろと言われても困る!
「もちろんそれなりのことを考えているんだろうなぁ?」
意地悪そうな顔で電話越しの彼に問い掛ける姿に、顔が引きつる。
だってあまりに悪い人の顔になっているのだから。
だけどそれもその時だけで、何かを答えた彼にお兄ちゃんの表情は安心したように緩んでいく。