イジワル婚約者と花嫁契約
「えぇ。……本当困ったものです」
一部始終を近くで見ていた千和さんも、呆気にとられている。
いくら好きな相手といえど、あれは度を越しているし、千和さんが呆気にとられてしまう気持ち分かる。
「ねぇ、代表は知らないんでしょ?灯里ちゃんがお見合いしたこと」
コソッと耳打ちしてきた千和さん。
「もちろんですよ!言えるわけないじゃないですか」
「だよねぇ」
お兄ちゃんの私に対する可愛がり方は尋常じゃない。
お兄ちゃんのおかげで今まで何度恋愛する機会を逃してきたか……。
「俺が認めた男しかだめだ!」と言っては、近づく男の子全て一喝してきた。
だからこの歳になって、一度も男性と付き合ったことがないのだ。
そんな私がお見合いした、と聞いたらどうなることやら……。
別に佐々木さんとのお見合いが破談になるのはいいことだけど、お兄ちゃんに知られてしまったら。それだけでは済まない。
徹底的に佐々木さんのことを調べるだろうし、佐々木さんにお兄ちゃんにしか知り得ない、ありとあらゆる私の過去話をされるに決まっている。
昔からずっとそうだったから。
一部始終を近くで見ていた千和さんも、呆気にとられている。
いくら好きな相手といえど、あれは度を越しているし、千和さんが呆気にとられてしまう気持ち分かる。
「ねぇ、代表は知らないんでしょ?灯里ちゃんがお見合いしたこと」
コソッと耳打ちしてきた千和さん。
「もちろんですよ!言えるわけないじゃないですか」
「だよねぇ」
お兄ちゃんの私に対する可愛がり方は尋常じゃない。
お兄ちゃんのおかげで今まで何度恋愛する機会を逃してきたか……。
「俺が認めた男しかだめだ!」と言っては、近づく男の子全て一喝してきた。
だからこの歳になって、一度も男性と付き合ったことがないのだ。
そんな私がお見合いした、と聞いたらどうなることやら……。
別に佐々木さんとのお見合いが破談になるのはいいことだけど、お兄ちゃんに知られてしまったら。それだけでは済まない。
徹底的に佐々木さんのことを調べるだろうし、佐々木さんにお兄ちゃんにしか知り得ない、ありとあらゆる私の過去話をされるに決まっている。
昔からずっとそうだったから。