イジワル婚約者と花嫁契約
* * *
「はっ、初めまして!灯里です」
我が家にやってきた時、灯里は小学校に上がる前の六歳だった。
両親から養子の話を聞いた時は驚いたけど、母さんはずっと女の子が欲しいと言っていたし、それなのに妊娠しづらい身体だということは、当時十六歳の俺には理解できていた。
もちろん反対するつもりはなかった。
両親同様、俺だって兄妹が欲しかった。昔兄妹がいる友達をどれほど羨ましく思ったか……。
だから本当、灯里と初めて会った時は、まるで身体中に電流がはしった錯覚を覚えるほど衝撃的だったんだ。
なっ、なんだこの可愛い人間は……!
目の前で俺の様子を窺うよう、何度も上目遣いで見てくる灯里に一瞬で心を奪われてしまった。
「灯里ちゃん、この人は和臣。今日から灯里ちゃんのお兄ちゃんになる人よ」
ひとり灯里の可愛さに内心悶えていると、母さんが俺のことを紹介してくれた。
すると次の瞬間、灯里は俺に向かって満面の笑みでこう呼んだ。
「お兄ちゃんっ!」と――。
「はっ、初めまして!灯里です」
我が家にやってきた時、灯里は小学校に上がる前の六歳だった。
両親から養子の話を聞いた時は驚いたけど、母さんはずっと女の子が欲しいと言っていたし、それなのに妊娠しづらい身体だということは、当時十六歳の俺には理解できていた。
もちろん反対するつもりはなかった。
両親同様、俺だって兄妹が欲しかった。昔兄妹がいる友達をどれほど羨ましく思ったか……。
だから本当、灯里と初めて会った時は、まるで身体中に電流がはしった錯覚を覚えるほど衝撃的だったんだ。
なっ、なんだこの可愛い人間は……!
目の前で俺の様子を窺うよう、何度も上目遣いで見てくる灯里に一瞬で心を奪われてしまった。
「灯里ちゃん、この人は和臣。今日から灯里ちゃんのお兄ちゃんになる人よ」
ひとり灯里の可愛さに内心悶えていると、母さんが俺のことを紹介してくれた。
すると次の瞬間、灯里は俺に向かって満面の笑みでこう呼んだ。
「お兄ちゃんっ!」と――。