イジワル婚約者と花嫁契約
「お望みなら家に着く前に話すけど?」
その声に隣を見れば、健太郎さんは余裕たっぷりに笑いながら、ハンドルに体重を預けて私を見つめていた。
なんてことない仕草にも、いちいち反応してしまう自分を憎く思うも、必死に平然を装った。
「じゃあ話して下さい!」
照れを隠すように冷めた口調で言うと、健太郎さんは我慢できなくなったように吹き出した。
「なに?灯里は今ツンデレがマイブーム中なの?」
「なっ!なに言ってるんですか!意味が分かりません!」
「そのままの意味だよ。素直に聞きたいって言えばいいのに」
「……っ!」
ひとつ付け忘れていた。
健太郎さんは意地悪な人だ。
「健太郎さんこそ普通に話してくれればいいじゃないですか!……意地悪な人ですね」
「それは最高の褒め言葉だね」
悔しくて嫌味たっぷりで言ったというのに、なぜか嬉しそうに笑う。
「じゃあ普通に話してあげる。理由は単純だよ。俺は灯里のこと気に入っている。だから結婚したい」
「え――?」
次の瞬間、不意に掴まれた手。
その声に隣を見れば、健太郎さんは余裕たっぷりに笑いながら、ハンドルに体重を預けて私を見つめていた。
なんてことない仕草にも、いちいち反応してしまう自分を憎く思うも、必死に平然を装った。
「じゃあ話して下さい!」
照れを隠すように冷めた口調で言うと、健太郎さんは我慢できなくなったように吹き出した。
「なに?灯里は今ツンデレがマイブーム中なの?」
「なっ!なに言ってるんですか!意味が分かりません!」
「そのままの意味だよ。素直に聞きたいって言えばいいのに」
「……っ!」
ひとつ付け忘れていた。
健太郎さんは意地悪な人だ。
「健太郎さんこそ普通に話してくれればいいじゃないですか!……意地悪な人ですね」
「それは最高の褒め言葉だね」
悔しくて嫌味たっぷりで言ったというのに、なぜか嬉しそうに笑う。
「じゃあ普通に話してあげる。理由は単純だよ。俺は灯里のこと気に入っている。だから結婚したい」
「え――?」
次の瞬間、不意に掴まれた手。