隣にいるのは?



…………。

とりあえず上がっちゃったけど、どうしよう…

なんか、ずっと考え込んでるんですけど。

「あ、あのぉ」

「あっ、ごめんなさいね」
「あなた、名前は?」

「え、あ、山崎香織です。」

「そう、香織ちゃん。香織ちゃんは美希と友達なの?」

「はい!」

美希のお母さん、さっきからどうしたんだろう。

「どうして、こうなっているのか私にはわからないけど……」

「どういう事ですか?」

「あのね、美希は、幼稚園を卒園する少し前に交通事故で死んじゃってる
のよ…」

「え?」
どういう事?え、ちょっとまって。え?嘘でしょ?
美希が、死んでる…? しかも幼稚園のときに?
「え、どういう事…ですか?」

「わからないの…香織ちゃんはどこの幼稚園?」

「東幼稚園です。」

「美希は…南幼稚園よ。」

「えっ…?」
…………………………………。
どういう事?じゃあ、私は今まで…何をして、何を見てきたの?

「香織ちゃんは、いつから美希と友達なの?」

私は全て話した。美希と幼稚園から中学校まで同じで、
ずっと一緒にいた事。そして、今の状況。

「そう…だったの……。」

しばらく、二人の間に沈黙が流れた。

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