隣にいるのは?
「ねぇ、香織ちゃん?」
最初に沈黙をやぶったのは美希のお母さんだった。
「はい?」
「美希はね、幼稚園の頃、友達がいなかったの。」
「え…?」
「何人か話しかければ話してくれる人はいたけど、いつも仲良くしてる
友達はいなかったの。」
「そう…だったんですか。」
「美希はきっと、香織ちゃんが優しいから、
一緒に居たかったんじゃないかな?」
「でも、なんで私と?」
「わからない。幼稚園の頃美希と香織ちゃんは
本当に会ったことはあったのかな?」
「分からないです。私は美希とずっと一緒にいたつもりなので…。」
「そうよね……。」
「……………。」
「あっ!香織ちゃんて北公園にいったことある?」
「あ、はい。幼稚園の頃はよく行ってました。」
「やっぱり…」
美希のお母さんの顔が少し明るくなった。
そして、美希の幼稚園の頃の事を聞いた。