檻の中の国


ワシャワシャ……


「……案ずるな。


この世界では、俺の側を離れなければ、


何も心配する事は起きない。」


螢さんは、私の頭を何度も優しく撫でて、

安心させようとしてくれている。



「……でも…ご迷惑がかかってしまうし…。」




螢さんはふっと目を細めた。



「……この屋敷を見てみろ。


大きいだろう?


……俺一人で使うには少し寂しい。


お前が元の世界に帰るまでの間、


此処に居てくれないか?」




< 16 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop