檻の中の国
ワシャワシャ……
「……案ずるな。
この世界では、俺の側を離れなければ、
何も心配する事は起きない。」
螢さんは、私の頭を何度も優しく撫でて、
安心させようとしてくれている。
「……でも…ご迷惑がかかってしまうし…。」
螢さんはふっと目を細めた。
「……この屋敷を見てみろ。
大きいだろう?
……俺一人で使うには少し寂しい。
お前が元の世界に帰るまでの間、
此処に居てくれないか?」
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