檻の中の国
04 行き先のない汽車
「………そう。」
提灯街→∞
そう書かれた乗車券を握らせられる。
「∞ってなに?」
「行き先が特に決まってないってことだ。」
「……変なの」
周りを見ると、私達以外誰もいない。
「だれも、いないね。」
「当たり前だ。
お前のような異世界の住人など、
1000年に一度来るか来ないかだ。
それとも、お前の世界では異世界人がたくさん行き来しているのか?」
「…ううん。
じゃあ、なんでこの駅があるの?」