檻の中の国
「……お前、どこから入ってきたんだ…!!!
何者だ!!!!」
螢は女の子の方に銃を向けた。
女の子はさらさらの短い髪をくるくると
回して驚いている。
「……やめてよ螢!!
まだ子どもなのに」
「ただのガキじゃない!!!!!!!!!!」
螢は銃を構えたまま、私を後ろに隠した。
「………婆さんが生きていた頃、
聞いたことがある。
この地帯で500年前、このくらいの歳の子どもが、
何かの原因で絶望し、ここを通り、花に呪われてしまった。
勿論肉体は消滅し、事実上死んでいる。
だが、それに気付かず、この地域を
さまよい続け、仲間をさがしているんだと。」