寂しがりヒーロー
僕は最宮高校に向かった。
だけど、カモちゃんはいない。

どこにいるの...?
カモちゃん...。


僕は走って走って、カモちゃんを探す。
雨でびしょ濡れになって、寒いし、服がくっついてきて気持ち悪い。
だけど、今はそんなのを気にしている暇はないんだ。

僕はとにかく走った。

そして、やっと見つけた。
びしょ濡れで、僕を探しているカモちゃんを。


「伊月ー!どこにいるのー?伊月ー!」

「カモちゃん!」

「伊月...!」


僕は走ってカモちゃんの元に向かう。


「カモちゃん...っ」

「伊月...良かった、無事で」

「えっ...?」

「急に走っていっちゃうから...」

「あー...ごめん...」

「とにかく濡れないところに行こ!」


そう言ってカモちゃんは強引に僕を屋根がある場所に連れていく。


「大丈夫?伊月」

「...うん」


僕は一つ、深呼吸をする。


「伊月...?」

「...カモちゃんに、話さなきゃいけないことがあるんだ」
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