寂しがりヒーロー
好きじゃなくて、愛してます。
「話さなきゃいけないことって...さっきの...?」
「...うん。...どう思った?さっきの僕を見て」
「...正直、ビックリした。伊月があんなに強いって知らなくて」
カモちゃんは困ったように微笑む。
カモちゃんを困らせるのは、承知の上での質問。
「カモちゃんにね、ずっと隠してたんだけど...僕は、高校のトップなんだ。僕が一番強いって言われてる」
「そうなの...!?」
「...うん。だけど、僕はカモちゃんのためにしか戦えない」
「私...?」
「うん。カモちゃんのためじゃなきゃ、僕は力を発揮できないんだ。だからね、カモちゃんが危ない目に遭っているとき、僕は殴り合いをしてた」
「...全然知らなかった」
「...知らないのも当然だよ。僕、ずっと必死に隠してたんだから」
「隠してたって...なんで?」
「それは...」
僕は怖くて、俯いた。
そして、一つ息を吐いて、言葉を紡いだ。
「...怖かったんだ」
「え...?」
「...カモちゃんに、嫌われるのが」
「嫌う?どうして私が?」
「だって...僕はカモちゃんの弟みたいなものだから...そんな僕が殴り合いとかしたり、ましてやトップだなんて。そんなの...暴力的だとか、怖いとか、思われるだろうなって。そうは思われなくても、きっと一人で大丈夫だって思われて、僕は...独りになっちゃうだろうなって...」
泣きそうになるのを、必死で堪える。
僕は俯いたまま、次に返ってくるカモちゃんの言葉を怯えながら待っていた。
「...うん。...どう思った?さっきの僕を見て」
「...正直、ビックリした。伊月があんなに強いって知らなくて」
カモちゃんは困ったように微笑む。
カモちゃんを困らせるのは、承知の上での質問。
「カモちゃんにね、ずっと隠してたんだけど...僕は、高校のトップなんだ。僕が一番強いって言われてる」
「そうなの...!?」
「...うん。だけど、僕はカモちゃんのためにしか戦えない」
「私...?」
「うん。カモちゃんのためじゃなきゃ、僕は力を発揮できないんだ。だからね、カモちゃんが危ない目に遭っているとき、僕は殴り合いをしてた」
「...全然知らなかった」
「...知らないのも当然だよ。僕、ずっと必死に隠してたんだから」
「隠してたって...なんで?」
「それは...」
僕は怖くて、俯いた。
そして、一つ息を吐いて、言葉を紡いだ。
「...怖かったんだ」
「え...?」
「...カモちゃんに、嫌われるのが」
「嫌う?どうして私が?」
「だって...僕はカモちゃんの弟みたいなものだから...そんな僕が殴り合いとかしたり、ましてやトップだなんて。そんなの...暴力的だとか、怖いとか、思われるだろうなって。そうは思われなくても、きっと一人で大丈夫だって思われて、僕は...独りになっちゃうだろうなって...」
泣きそうになるのを、必死で堪える。
僕は俯いたまま、次に返ってくるカモちゃんの言葉を怯えながら待っていた。