寂しがりヒーロー
それから5分くらいで、カモちゃんはやって来た。


「やっほ、伊月」

「カモちゃん!待ってたー」


僕はカモちゃんに抱き付く。


「ふふっ。やっぱり来て正解だね」


カモちゃんは驚くことなく僕の頭を撫でる。

やっぱり、落ち着く。


「今日の晩御飯は、伊月の家にあるもので適当に作ろうかと思うんだけど」


...あ、忘れてた。
カモちゃんは僕の家に来ると、冷蔵庫の中をさりげなくチェックするんだ。


「...また、水しかないんだけど...どういうことかな?伊月」


カモちゃん...顔...怖いよ...。


「だって、ごはん作れないもん!水くらいしか入れとくものないもん...」


僕はそう言って遠慮がちにカモちゃんを見る。

カモちゃんはハァッと呆れたように溜め息を吐き、「うちにおいで」と僕の手を引いた。
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