寂しがりヒーロー
昼休憩。
僕らは集まった。


「伊月さん、タイマン受けたって、マジっすか?」


絋ちゃんが驚いたように言う。


「うん。受けた」

「その...大丈夫、なんすか」


みんなが心配そうに僕を見る。


「...大丈夫じゃなかったら、ごめんね」


きっと、っていうか、絶対、負けると思う。
でも、何もせずに逃げるのは、格好がつかないし、何よりそんなことが出来ないって気づいた。


「無理、しないで下さいね」

「んー、多分?」


無理しないって無理じゃないかなぁ...。
殴られても蹴られても、逃げることは許されない。

それがトップなんだって、気づいた。
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