寂しがりヒーロー
ーパンパンパンッ


大きな破裂音、火薬の匂い、パラパラと舞う色とりどりの紙テープ。

一瞬、いや、数秒、理解が出来なかった。


「ハッピーバースデー!」

「おめでとう、伊月!」


口々に僕に掛けられる、お祝いの言葉。

そして、目の前にいたのは...。


「玲...先輩達...?」


満面の笑みでクラッカーを持つ、玲や絋ちゃん達だった。


「な、なんで!?」

「ったく、教えてくれてもいいだろ?誕生日くらい」

「そうで...だよ!教えてくれたっていいじゃん」


不満そうに、しかし楽しそうに、言った。


「ほら、千章高校の人達に騙されちゃったから、伊月の誕生日の計画、ダメになっちゃったし...。だから、助けてくださった玲くんとか先輩を呼んだんだ」

「カモさ...じゃなくて、カモちゃんに言われて俺らビックリしたんだぞ?まさか今日が伊月の誕生日だったなんてさ」

「え、あ...いや、自分から誕生日言うなんて、おかしいでしょ」


僕がそう言って笑うと、「それもそっか」と玲も笑った。


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