寂しがりヒーロー

｢...噂で流れてきたことと、ネットでの情報で、その人のことがいくつか分かりましたよ｣


ふーがそう言って、僕らの前に資料を出す。


｢かざかみ...じんた...？｣

｢はい。今、この辺りを騒がせているのは、風上仁太という男です｣

｢へぇ、僕と同い年だ...｣


僕と同じ16歳で、こんなにも辺りを騒がせているなんて、すごいと思う。


｢今分かっている、倒された高校は8校です。燐光、慶杯、礼相、船杉、芝、瀧、関茂、富司。どの高校も、決して弱くはありません｣

｢え、しかも、この風上ってヤツ、仲間いないんすね｣


瞬が驚いた様子で資料を覗き込む。


[風上仁太に仲間はおらず、一人で全ての高校のトップを一人で倒した]


確かにそう書いてあった。


｢一人で倒すなんて、かなり手強いヤツかもしれないっすね...！｣


雄の言葉に、僕は少し、戸惑った。