寂しがりヒーロー
弱くても、守りたいと思うんです。
「大丈夫っすか、伊月さん...!」
「あー...いや、大丈夫じゃない...かな」
絋ちゃんに体を起こして貰って、仁太くんの方を見た。
仁太くんは息を整えながら、乱暴に起き上がる。
「...これが、トップの力ってわけか」
仁太くんの瞳が、少し悲しみを帯びているのが分かる。
「...カモちゃんは、どこにいるの?」
「...あぁ。教えるよ。でもその前に、俺の質問に答えろ」
「何...?」
「お前、なんでそんなに強いんだ?見た目からして、そんな体力も能力も、あるようには見えねぇけど」
「...守りたいからだよ。大切な人を。弱くても、僕はカモちゃんを守りたい。だから、かな?」
「...守りたい人を作れば、強くなれんのか?」
「それは違う。...多分、違うよ。強くなりたいから大切な人を作るんじゃない。大切な人を守りたいから、強くなる。強くなることを、本気で望めるんだよ。仁太くんにはいないの?本気で守りたい人が」
「...今のところいねーな。...名前...フルネームで、教えろよ」
「...逢坂。逢阪伊月」
「...忘れねぇようにする。あ、でも...他の奴らみたいに、お前にヘコヘコしたりしねーから」
「...うん」
なんだか、すごく嬉しかった。
仁太くんに認められたことも、僕に敬意を示そうとしない、友達っぽい接され方も。
「あー...いや、大丈夫じゃない...かな」
絋ちゃんに体を起こして貰って、仁太くんの方を見た。
仁太くんは息を整えながら、乱暴に起き上がる。
「...これが、トップの力ってわけか」
仁太くんの瞳が、少し悲しみを帯びているのが分かる。
「...カモちゃんは、どこにいるの?」
「...あぁ。教えるよ。でもその前に、俺の質問に答えろ」
「何...?」
「お前、なんでそんなに強いんだ?見た目からして、そんな体力も能力も、あるようには見えねぇけど」
「...守りたいからだよ。大切な人を。弱くても、僕はカモちゃんを守りたい。だから、かな?」
「...守りたい人を作れば、強くなれんのか?」
「それは違う。...多分、違うよ。強くなりたいから大切な人を作るんじゃない。大切な人を守りたいから、強くなる。強くなることを、本気で望めるんだよ。仁太くんにはいないの?本気で守りたい人が」
「...今のところいねーな。...名前...フルネームで、教えろよ」
「...逢坂。逢阪伊月」
「...忘れねぇようにする。あ、でも...他の奴らみたいに、お前にヘコヘコしたりしねーから」
「...うん」
なんだか、すごく嬉しかった。
仁太くんに認められたことも、僕に敬意を示そうとしない、友達っぽい接され方も。