寂しがりヒーロー
「先生呼んできたよーって、伊月、起きたんだ」

「あ、うん。ごめんね、カモちゃん」

「もう、謝らないのー」


カモちゃんは優しい笑顔を向けてくれて、僕は小さく微笑んだ。


「じゃあ、逢坂くん。まずは熱を測ってね」


保健室の先生に言われて、僕は熱を測る。
しばらくして音が鳴り、体温計を見て、驚いた。


「38.7...」

「うわ、そんなにあんのかよ」


仁太くんも驚いてるみたい。


「これは早退した方がいいわね...」

「早、退...ですか」

「...その場合、私も早退していいですか?伊月、一人になっちゃうので」

「...そうね。さすがに一人には出来ないわね」


先生は困ったように微笑んで、了承した。


「じゃあ、私、伊月の荷物まとめてくるね」

「私も、担任の先生に報告してくるから。風上くん、逢坂くんのこと、見ててあげてね」


そう言ってカモちゃんと先生は、保健室を出ていった。

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