寂しがりヒーロー

僕じゃ、敵いません。

暖かくて、眩しい。
その感覚に、僕は目を覚ました。
でも、右腕に重さを感じて、僕は起き上がるのを止めた。

そこにはカモちゃんが眠っていた。

ずっと看病してくれてたんだ...。


「...ありがと、カモちゃん」


僕は一言そう言って、カモちゃんをベッドに運んだ。
それだけで疲れる僕の体力は、本当に頼りない。

時計を見ると、もう10時過ぎで、スマホを見ると、玲や紘ちゃん、仁太くんからメッセージが来ていた。

僕は玲や紘ちゃんに返事をして、仁太くんからのメッセージを開いた。


『体調はどうだ?なんか買ってきてほしいもんとかあったら言えよ』


カモちゃんのことは何も書いていない。
純粋に心配してくれているのが分かった。


『ありがとう。特になんにもいらないよ。明日は行けると思う』


僕もそれだけ送った。

昨日より随分楽になったし、熱も下がったんじゃないかと思う。

だけど、僕の気持ちは重いまま。

仁太くんの良いところが見えてくればくるほど、自信がなくなる。

優しくて、強くて、カッコいい。

僕の勝てるところなんてないから。
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