寂しがりヒーロー
それからすぐ教室に入った。


「あ、伊月くん。風邪、もう治ったの?」

「うん。もう大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとね」


クラスメートから声をかけられ、それに答えて、席につく。


「いーづき」

「あ、カモちゃん!」

「改めてやっほ!」

「えへへ、やほ」


無邪気で優しい笑顔が、なんとなく僕だけのもののように思える。


「ほんっと仲いいねぇ、望波と伊月くんは」

「あったりまえでしよ!ねー、伊月!」


カモちゃんはそう言って僕の横にくっついてピースをする。


「そーだね」


そう言って僕も笑う。
なんか、青春っぽい感じがするな、こうやってふざけてられる感じ。
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